易游YY体育官方网站

易游YY体育官方网站使者ジュラ

文・小林 彩野　絵・ながおか えつこ

こんにちは！
易游YY体育官方网站シジュウカラの子どもだよ。
名前はジュラって言うんだ。
今ね、この森でくらすいろいろな動物たちが集まる
森集会が行われているから、ちょっと静かにね。

「集まったな。 それでは森集会を始めよう。」
よくひびく低い声で、ツキノワグマのグリム様がそう言うと、
易游YY体育官方网站ざわつきは消えた。
とても長い間、森を見守っている、易游YY体育官方网站らのリーダーだ。
「最近、池の水がよごれて、魚たちがこまっている。
調査をしてもらいたいので、
空を飛べる者たちは、手を貸してくれないか。」

グリム様にたのまれて、易游YY体育官方网站他の鳥たちといっしょに、
池の周りを一周易游YY体育官方网站ことになった。
みんなと話しながら、ちょうど池の反対側を飛んだ時だった。

「ちょっと、せんざい取ってくれる？」
「あっ、スポンジ落としちゃった！」
近くのキャンプ場から来た人間たちが、
池で食器をあらっているのを見つけた！
池の水は、せんざいの泡でぶくぶくとふくらんでにごっている。

おこった易游YY体育官方网站たちは、人間たちの頭上で羽をばたつかせ、
さわがしく鳴きわめいた。
「なんだ！ 一体なんなんだ？」
人間は声を上げてにげ出したけれど、また池の他の場所で、
今度はなんと服にせんざいをかけて洗い始めた。

急いでグリム様に報告易游YY体育官方网站と、
きん急の森集会が開かれることになった。
「親愛なる易游YY体育官方网站仲間たちよ！ これから交代で池のパトロールをしてもらいたい。 パトロールができる者は集まってくれ。」

易游YY体育官方网站、ニホンカモシカのカッシーといっしょに、
グリム様の前でどきどきしながら頭をたれた。
集まったたくさんの動物たちは、 二人一組で、池の周りの見はりにつくことになった。

夜八時、易游YY体育官方网站カッシーと池の周りをパトロールするために出かけた。
きん張しながら耳をすますと、
こんな人間たちの話し声が聞こえてきたんだ。
「お願いです！
キャンプ場の経営のために、
池をなくして広大な遊び場を作りましょう！」
「建設会社の計画の意味はわかりますが、
この池は多くの動物たちのいこいの場でも……。」
易游YY体育官方网站たちがよく知る、動物好きのキャンプ場のオーナーが、
ケンセツなんとかの人間と、たき火の前で話しているようだ。

それを聞いて、易游YY体育官方网站むねがバクバクして、
カッシーより先にグリム様の元へ全速力で飛んでもどった。
「けしからん！
よごした上に、金もうけのために池をうめ立てようというのか！
グウウ！」
いつもおだやかなグリム様が、
まるで今にもおそいかかりそうなはくりょくで言った。
易游YY体育官方网站こわくて木の枝に飛びうつった。

そして、再びきん急の森集会が開かれた。
落ち着きをもどしたグリム様は、
みんなによい案がないかと意見を求めた。

一番最初に声を上げたのは、かしこいニホンザルのルイサだった。
「わたしが思うにね、人間の大切な物を、
全部池に落っことしてやればいいのよ。」
次に、オコジョのオコが声を上げた。
「易游YY体育官方网站らはめったに人間にすがたを見せないけれど、
池の周りで遊んで写真をとらせてやるのはどうかな？
人間は、写真自まんが好きでしょ。」

次に声を上げたのは、ニホンリスのスリーだ。
「けい告を易游YY体育官方网站ために、
人間の言葉で手紙を書いたらどうかしら？」

そこで、易游YY体育官方网站が勇気を出して提案した。
「みんなの意見を合わせて、
手紙を書いて大切な物をとるとけい告した後に、
かわいらしい行動をして写真をとらせてみたらどうかな。
池も動物も、守りたい気持ちになれば、
池をこわすのをやめてくれるんじゃないかな。」
「それはいいね！
でも手紙はだれが書く？」
カッシーが質問した時だった。

「わしが書こうではないか。
文字はうんと前に、人間の子どもに教わった。」
ハシブトガラスのシブじいが、バサリとつばさを広げて言った。
そして、自分の羽を一本ぬくと、ハルニレの葉っぱにこう書いた。
『私たちの大切な池をなくすなら、
お前たちの大切な物もうばって、
人間をきらい二度とすがたを見せなくなるぞ。
易游YY体育官方网站動物たちより』
シブじいが手紙を読み上げると、
森集会の動物たちからはく手がわき起こった。

「では、手紙はキャンプ場のオーナーへ、
ジュラにとどけてもらおう。
易游YY体育官方网站使者として、たのんだぞ！」
「はい！」
易游YY体育官方网站、グリム様をまっすぐに見つめて
大きな声で返事をした。

グリム様から手紙を受け取り、
易游YY体育官方网站オーナーへとどけにいった。
手紙を口ばしにくわえる易游YY体育官方网站を、
オーナーは「かわいいなぁ」と写真にとった。
そして手紙を読むと……
「こりゃ大変だ！
お前さんたちの顔が見られなくなるなんて、
私はぜったいにいやだ。」
と、悲しそうな顔になった。

次の日、池には大きなかん板が立った。
『この池を大切に易游YY体育官方网站人は、
この易游YY体育官方网站大切な動物を守る人です。
大切にすれば、動物たちもきっと
かわいいすがたを見せてくれます。』

易游YY体育官方网站たちはきれいになった池へ、
元気なすがたをちょくちょく見せに行くようになった。

人間って写真が好きだよね。
本当の目で見ればいいのに。
易游YY体育官方网站たちは、そんなおもしろい人間を、いつもよーく見ている。
うそだと思うなら、易游YY体育官方网站たちの森の池へ遊びにおいでよ！

易游YY体育官方网站かをり屋

文・平島 柑奈　絵・さとう めぐみ

目の前には木がたくさん。
鳥がツツピーツツピー、セミがミーンミーン。
チョウチョがひらひら。
真夏の太陽の日差しは、じりじりとして暑い。
夏休み、私は自由研究のテーマをさがしに森に来た。
ここは、どこだろう。
わからない。
私、やっぱり迷っちゃったみたい。

汗ばむなか、しばらく道をさがして森を歩く。
風がビュッとふくと、すっとさわやかないい易游YY体育官方网站がした。
すずしくなったような気が易游YY体育官方网站。
この易游YY体育官方网站は何だろう。
私は気になって、易游YY体育官方网站のもとをさがしてみることにした。

易游YY体育官方网站中を進んでいくと、『易游YY体育官方网站かをり屋』と書かれた
大きな木のお店があった。
こんな森にお店があるなんて、と私はびっくりした。

このお店の近くは、さっきよりもいろんな易游YY体育官方网站がする。
はちみつのように、うっとりするあまい易游YY体育官方网站。
レモンのようなかんきつ系のすっぱい易游YY体育官方网站。
どれもいい易游YY体育官方网站だな。
この木のお店から、いい易游YY体育官方网站がしているみたい。
「だれかいませんかー。」
どきどきしながら、ドアをノック易游YY体育官方网站と、
カランコロンと鈴の音が鳴った。

易游YY体育官方网站と、びっくり！
お店の中から大きなクマが出てきた。
ふわふわな毛並みに大きな体。
クマは私を見ると、何も言わずにまねき入れる仕草をした。

おそるおそるお店に入った。
「わあ、すごくいい易游YY体育官方网站。」
お店の中にはカウンターがあり、
そのおくの棚に液体が入ったびんがたくさん並んでいる。
さらに奥には何やら大きな道具があった。

私が何だろうと思いながら、お店の中を歩き回っていると、
クマが大きな声で言った。
「こんにちは、小さなおじょうさん。
わしの名前はヒイラギだ。
わしは森の植物から、いい易游YY体育官方网站のするエキスを作っている
ただの老いぼれじゃ。
易游YY体育官方网站につられて来たおじょうさん、どの易游YY体育官方网站が好きかのう。」
私は聞かれて、一つずつていねいに易游YY体育官方网站をかいでみた。

くんくんくん。
あ、これ、さっき森の中でかいだ易游YY体育官方网站だ。
さわやかないい易游YY体育官方网站。
でもほんのりあまい。

「ヒイラギさん、これは何の易游YY体育官方网站ですか。」
と、私がたずねると、ヒイラギさんは、
「これはクロモジと言ってな、
昔から愛されているいい易游YY体育官方网站のする木なんだ。
葉っぱや枝、時には木を切って、
あの道具でいい易游YY体育官方网站のするエキスを作るんじゃよ。」
と、教えてくれた。

私は、
「木を切っちゃうんですか。」
と、おどろいた。
易游YY体育官方网站と、ヒイラギさんはていねいに教えてくれた。
「ときどき木を切ってな、その一部の枝を土に植えるんだ。
そして、その枝が育つとまた大きな木になる。
こうやって、わしらは手入れして森を守っているんだよ。」
そうなんだ。
私、ぜんぜん知らなかった。
森ってちゃんと手入れされて、生きているんだ。

「それにな、おじょうさん。
このクロモジのエキスは、易游YY体育官方网站をかぐと、
気分を落ち着かせてくれたり、
病気がよくなったり易游YY体育官方网站んじゃよ。
易游YY体育官方网站動物たちに人気での、ガハハ。」
と、ヒイラギさんはじまんげに話した。
そんな使い道があるなんて、
クロモジってすごいんだ、と私は思った。

気が付くと、外ではカナカナカナとヒグラシが鳴いている。
もうこんな時間だなんて。
「さあ、家に帰る時間だ。
この道を進んでいくと森を出られるはずじゃよ。」
「今日は、どうもありがとうございました。
森についてたくさん知ることができて、
易游YY体育官方网站を楽しめて、本当によかったです。」
私はお礼を言うと。お店を出た。
ヒイラギさんが帰り際に、
「おじょうさんが森を大切にしてくれることを願っているよ。
いつかまた。」
と言うのが聞こえた。

私は歩き出し、道を進んでいく。
風がびゅっと吹き、あのさわやかな易游YY体育官方网站がする。
これクロモジだ。
店から離れたのに、どうしてクロモジの易游YY体育官方网站が？
ポケットに何かごつっとしたものがある。
それは、ヒイラギさんのお店にあったクロモジのエキスだった。
帰り際にこそっとポケットに入れてくれていたのかな。
ふたを開けてみると、いい易游YY体育官方网站が広がる。
そういえば私、夏休みの自由研究のテーマをさがしに森に来たんだった。
せっかくだから、このクロモジについて調べてみよう。
ヒイラギさんとの約束を忘れずに、いつかまたお店に行けたらいいな。