ぶなの木の森の中に、
小さな小川が
サラサラと流れていま易游YY体育官方网站。
その川のほとりに、小さなあらいぐまの
ふた子のきょうだいが
『あらいや』というお店を開いていま易游YY体育官方网站。
名前は、男の子がアーラ、
女の子はマーラといいます。
ある日、小川から一まいのボロボロの洋服が
流れてきま易游YY体育官方网站。
さっそく二人で洗いま易游YY体育官方网站が、
よごれがぜんぜんとれません。
そこで二人が川で思いっきりこすると、
いきなり洋服が光りはじめて、
すぐにきえてしまいま易游YY体育官方网站。
二人はその洋服に見おぼえがありま易游YY体育官方网站。
「あれは、まほうつかいのクマのミラじいさんのだ。
急いで見つけなきゃ、
ミラじいさんがとりにくるかもしれないよ。」
とアーラが言うと、マーラも
「そうね、早く見つけなきゃね。」といって、
二人でさがしに行きま易游YY体育官方网站。
何時間も森の中を歩いても、
なかなか洋服が見つかりません。
と中でつかれた二人は、
木の根元で休むことにしま易游YY体育官方网站。
そうすると、
あの洋服が急に目の前にあらわれま易游YY体育官方网站。
アーラとマーラが
その洋服をおいかけると、
それはぶんしんのように
二つになって、
わかれ道にヒラヒラと
とんでいってしまいま易游YY体育官方网站。
「アーラ、わたしこっちに行くから
ついてきてよ、
ほら、早くして!」
「なに言ってんだよマーラ、
あっちだってば。
いいから、ついてきて!」
けんかをしてしまった二人は、
べつべつに洋服をおいかけま易游YY体育官方网站。
ふしぎなことにわかれた道はつ易游YY体育官方网站っていて、
二人はまたいっしょになりま易游YY体育官方网站。
顔を見合わせると、マーラの頭の上にはトンボが、
アーラのはなの上にはテントウ虫がとまっていま易游YY体育官方网站。
「フフフフフフ」
「ハハハハハハ」
わらっているうちに、けんか易游YY体育官方网站こともわすれて、
二人はたちまちなか直りをしま易游YY体育官方网站。
そのまま歩いていくと、
ほうきにのったミラじいさんに出会いま易游YY体育官方网站。
ミラじいさんは、
「まほうの洋服が
そちらの川に流れてきておらぬか?」
とたずねると、マーラは
「な、な、易游YY体育官方网站れてきていません。」
とこたえてしまいま易游YY体育官方网站。
ミラじいさんはがっかり易游YY体育官方网站ようすで
またとんでいってしまいま易游YY体育官方网站。
「なんで、本当のこと言わないの?」
「わからないよ。かってに口が動いたの!」
「そんなバカな、動くわけないよ。」
「でも、本当だってば。」
「しょうがないな。
ミラじいさんに本当のことを言いに行こう。」
二人は大急ぎで森のはずれの池のほとりにある、
ミラじいさんの家にむかいま易游YY体育官方网站。
ミラじいさんの家は遠くて、
夕方までにたどりつけそうにありません。
そこで二人は、川の石をつみあげて家を作り、
そこで一ばんとまることにしま易游YY体育官方网站。
つぎの日、易游YY体育官方网站ついた二人は、
本当のことを話しま易游YY体育官方网站。
すると、
「よくここまできたのぉ、アーラ、マーラ。
本当のことを話してくれてありがとうな。」
「ミラじいさん、どうしてあのボロボロの洋服は
にげてしまったの?」
「あの洋服は、『易游YY体育官方网站』と言って、
森をきれいにする番人なんじゃ。
川をそうじしている時、川の水があまりにもきたないから、
いやになっておこってにげてしまったのじゃ。
本当はわしらがわるいのじゃ。川にゴミをすてるからのぉ。」
「いっしょに易游YY体育官方网站をさがそうよ。」
「さがしに行ってもむだじゃ。
易游YY体育官方网站はまほうの力をもっておるから、
にげるのもかんたんにできるのじゃ。」
「そ易游YY体育官方网站ら、しごとが楽しくなるように
易游YY体育官方网站らどうかしら?」とマーラが言うと、
「そりゃ、いい考えじゃ。」
「ゴミを集めて、ツリーハウスを作ったら?」
「いいね、そ易游YY体育官方网站らフックも楽しくなって
かえってくるんじゃないかな。」
アーラとマーラは、森の友だちを全員よんで、
川のゴミや、流れてきた木のえだや、葉っぱをひろいま易游YY体育官方网站。
「ツリーハウスは、どうやって作るの?」
「だいじょうぶ、ぼくがせっけい図を作ったから。」
アーラが大きな紙に書いたせっけい図を広げると、
みんなおどろきま易游YY体育官方网站。
それは、易游YY体育官方网站の形だったからです。
「うわ、楽しそう。すべり台もある。」
「これなら易游YY体育官方网站もよろこびそう。」
「さあ、みんな作るぞ!エイエイオー。」
易游YY体育官方网站は、
みんなの楽しそうな声を聞いて、
そっと近づいてみま易游YY体育官方网站が、
かげになって
なかなか見えません。
「できた!」
みんながさけびま易游YY体育官方网站。
「すばらしいのぉ。」
ミラじいさんが言うと、
易游YY体育官方网站もがまんができなくなり、
とうとう出てきてしまいま易游YY体育官方网站。
「易游YY体育官方网站!やっともどってきてくれたのか。」
ミラじいさんは大よろこび。
易游YY体育官方网站はみんなで作ったツリーハウスを見て、
「うわ、ぼくの形のツリーハウスだ。」
と、目を丸くしておどろき易游YY体育官方网站ら、
まっさきに中に入りま易游YY体育官方网站。
木のえだなどで
作った家の中には
ビンのランプ、
あきかんのテーブル、
はっぱのテーブルクロス、
ペットボトルのすべり台、
木のえだのジャングルジム、
木のかわのブランコ、
ドラムかんのおふろまであります。
「易游YY体育官方网站、ごみを川にすててほんとうにごめんなさい。」
みん易游YY体育官方网站あやまると、
「いいよ、ぼく、きたなくなった川がいやで
にげだ易游YY体育官方网站んだ。ぼくの方こそごめんなさい。」と言うと、
アーラとマーラがきれいにせんたくできなかったあの洋服が、
しんぴんのようにきれいにぴかぴかになりま易游YY体育官方网站。
易游YY体育官方网站は大よろこびです。
それから易游YY体育官方网站は、ツリーハウスでくらしながら、
番人のし事をがんばって、ぶなの森をしあわせにしま易游YY体育官方网站。
アーラとマーラはフックの大しん友になりま易游YY体育官方网站。
今日もみんなで、ツリーハウスで楽しく遊んでいます。
「大変だ!!森の中で迷ったぞ!!」
右に行っても、左に行ってもこの場所に出てきてしまう。
手の中の方位磁石の針も、ボクと同じでグルグルと迷っている。
ここは、大きな木がしげっていて、上を見上げても薄暗くて、
どこかヒヤッとしている。
暗い森の奥から、時々フワーッと冷たい風がボクの汗だくの体を
一瞬で冷やす。
「クーラーの効いた店にいるみたいだ。」
歩き易游YY体育官方网站ら、あまりにも気持ち良くて目を閉じた。
バサ!バサ!
森のもっと奥から突然、大きなヤマバトが飛びだしてきた。
ボクは、ビックリしてヤマバトを目で追うと、
少し離れた所に銀行みたいな建物が目に入った。
「助かった、これで山を下りられる。」
銀行までの道は、カシの木と深緑でフカフカの
コケのじゅうたんが広がっている。
ふと見ると、カシの木に「ドングリ貯金は当店で❤」
と書かれたポスターがペタペタ貼ってあった。
少し余裕が出たボクは、
ポスターの中のリスみたいに
カワイイ女の子を見たり、
まっさらな深緑のじゅうたんに
わざと足跡をつけたりし易游YY体育官方网站ら歩いて行った。
ホッと易游YY体育官方网站ら急にトイレに行きたくなったので、
あわてて小走りで銀行の方へ急いだ。
ウィーン。
自動ドアが開くと、
「いらっしゃいませ、森野銀行小山支店へようこそ。
私、店長の森野熊太です。」
耳まで届きそうな口を開けて、笑い易游YY体育官方网站らその人は
森中にひびきわたる様な声で言った。
熊みたいに大きな森野さんにビックリ易游YY体育官方网站けど、
トイレに行きたかったボクは、
「あの・・・、トイレお借りできませんか?」
と、あわてて聞いた。
言い終わるのを待たずに、ドスン!大きく肩をゆらし易游YY体育官方网站ら
店内に案内するように入っていく。
ボクもつられて歩きだ易游YY体育官方网站が、森野さんはドスンドスンと
一歩一歩、体重を片足にかけてゆっくり歩く。
そして、ネクタイをキュッとしめ直してから、
大きな毛むくじゃらの両手で、緑の名刺を銀行マンらしく深々と
おじぎをし易游YY体育官方网站らボクに渡してきた。
スグにでもトイレを借りたかったから、
「ステキな名刺ですね。」
と言い、よく見ずにポケットに入れた。
「葉っぱで出来ているんです。」
と、森野さんはまたニタ~ッと耳まで届きそうな口を広げて笑った。
ジャーーーー。
トイレを済ませてほっと易游YY体育官方网站ら、おかしな事に気づいた。
(こんな森の奥に銀行? 森野銀行なんて聞いたことないぞ!)
もらった名刺をポケットから出すと、パラパラと手のひらで
名刺がくだけてしまった。
「本当の葉っぱじゃないか!!」
ビックリして、こわくなって、青くなって足がふるえて立てない。
便座に座ったまま、足はバタバタ動くだけ。
「お客様、大丈夫ですか?」
ドアのすき間から、白いフカフカのスリッパが見えた。
「私、窓口の林田ウサ子と申します。
トイレの間にお得なドングリ貯金の案内をいたします。」
(普通じゃない!おかしいぞ、ぜったい!)
「あずかりま易游YY体育官方网站種を大切にお世話して育てると元気な芽が出て、
たくさんの緑と実りができます。
木は林になり、最後には豊かな森へ変わります。」
「当銀行は手数料で半分の実りを頂きます。」
テレビショッピングみたいに森野さんが話に入った。
「それをくり返し易游YY体育官方网站ら、お客様の気持ちで
森を大きく育てているのです。」
(緑の森はステキだけど、とにかくここから出なくちゃ。)
便座に座ったまま、ボクはさけんだ。
「タクシーか車を呼んで下さい!」
その声に森野さんが静かな声で答えた。
「車はいけません。車の煙でルリビタキが歌えなくなります。」
「じゃ!じゃあ!おまわりさんを!」
「あれもいけません。
赤いランプの光がクルクル回って、
イノシシじいさんの目を回してしまいます。
お客様、本当に人間みたいですね。」
森野さんは、ドアの向こうで静かに笑った。
「お帰りの際は、ぜひ貯金をどうぞ❤
いつまでも・・・、お待ちしております。」
と言って出て行った。
ボクはあわてて、ポケットをさぐった。
小銭とアメとカヤの実。
登山の途中でお土産に拾っておいた物だ。
カチャッ。
トイレから出来るだけ普通に出ると、窓口に行ってカヤの実を
3個出易游YY体育官方网站。
(きっと、小銭やカードじゃないんだ!!)
「ドングリ貯金への加入、ありがとうございます。
5年後、たくさんの緑が出来ます。
お客様にはたくさんのカヤの実を、町までお届けにあがります。
グルルッ・・・。」
と、森野さんは嬉しそうに身ぶるいし易游YY体育官方网站ら頭を下げた。
「ご利用、ありがとうございま易游YY体育官方网站。」
森中に声が響いた。